アフガンハウンドは、世界最古の犬種として、ノアの箱舟に乗ったと伝えられています。
そんなアフガンハウンドについて、歴史、スタンダードのタイプ、およびコートカラーについて掲載しておきます。
アフガンハウンドは、紀元前4000年頃、シナイ半島にいたと伝えられている。古代エジプト王室では狩猟犬として飼育されていた。
デザート(砂漠)ハウンドとして、アラビア砂漠を経てアフガニスタンに入り山岳犬に変わり、最初はアフガニスタンのバグジー
王室で飼われたが、遊牧民によって、ガゼル(小型かもしか)や豹その他の獣猟犬として活用され長い間その純血を保ち、その
タイプを変えることなく、門外不出だった。
第一次世界大戦時に、イギリス将校によって、初めて世界に紹介されてから、ヨーロッパやアメリカで東洋的神秘な犬として人気
の座を占めている。世界最古の犬種として、ノアの箱船に乗ったのは、この犬種と伝えられている。
現在のアフガンハウンドは「ガズーニ」、「ベルモレー」の2タイプを統合したものがベースとなっている。
その2タイプをもとに完全なオリジナルとしてAKC(American Kennel Club)に承認されたのが1948年のことである。
それでは、「ガズーニ」、「ベルモレー」とはどういうタイプのアフガンハウンドであったか記載しておこう。
アフガニスタン及びその近隣の地形は荒涼とした砂漠と岩場の多い山岳地帯からなり、アフガンハウドは何世紀もかけて砂漠地帯
と山岳地帯に住み分けられてきた。
■ ガズーニ (山岳タイプ)
岩場での猟を可能にするため、跳躍力のあるパスターンがあり、また寒暖の温度差が激しい土地に適応するため毛量が多く、砂漠
地帯に生息するアフガンハウンドと比較してやや小柄な身体であったとされている。
1907年、バアフ夫妻がザーディン(Sirdar Of Ghazniガズーニ)というアフガンハウンドをショー・デビューさせたことによ
り、山岳タイプのアフガンハウンドをガズーニと呼ぶようになった。
■ ベルモレー (砂漠タイプ)
砂漠地帯での猟を可能にするため、遠方の獲物をいち早く見つける視覚力、全力疾走し獲物を捕らえるスピードを保持できる脚力
を持っており、体は大きめであったが毛量は少なめとされている。
1920年、ベル・モレー夫妻がパキスタン滞在中に持ち帰ったのがこの砂漠タイプのアフガンであったため、夫妻の名前にちな
んでベルモレーと呼ぶようになった。
■ 原産地:アフガニスタン
■ 後援国:イギリス
■ 用 途:サイトハウンド
■ FCI分類:グループ10 セクション1 長毛あるいはフリンジのあるサイトハウンド
■ 一般外貌:力強さと威厳のある表情をしており、スピードとパワーがある。頭部は気高く掲げられている。
■ 習性/性格:東方あるいは東洋的な表情はこの犬種の特徴である。アフガン・ハウンドは人を見ても気に留めないようである。
威厳があり、超然としてある種の鋭い精悍さが見られる。
■ 頭部(ヘッド)
◇ 頭蓋部
・スカル 長く、狭すぎず、オクシパットは明瞭である。バランスが取れ、長い冠毛がある。
・ストップ 僅かに認められる。
◇ 顔 部
・鼻 ブラックが望ましいが、明るい毛色においてはレバーも許容される。
・マズル 長く、顎は頑丈である。
・顎/歯 顎は力強く、完璧で歯列の正しい欠歯のないシザーズバイトで、歯は顎に対して垂直に生えている。
レベルバイトも許容される。
・目 ダークなものほど好ましいが、ゴールデン・カラーでも失格とならない。
形は三角形に近く、目頭から目尻にかけて僅かに上向きに傾斜している。
・耳 低く、後方に頭部に沿ってついている。長いシルキーな被毛に覆われている。
■ ボディ
・背 平らで、適度な長さで、筋肉が発達している。
・腰 真っ直ぐで、幅広く、どちらかというと短い。
・尻 尾に向かって僅かに傾斜している。寛骨端はかなり顕著で幅広い。
・胸 肋は良く張っており、十分な深さがある。
■ 尾:短すぎず、尾付きは低く、先端は輪を形成する。
動いているときには、上に揚げられている。飾り毛は多すぎない。
■ 四肢
・前肢 前脚は真っ直ぐで骨はしっかりとしており、前望すると肩も真っ直ぐである。
・肩 長く傾斜しており、よくレイバックしている。また、筋肉が発達しており、力強いが隆起してはいない。
・肘 肋骨に密接しており、内向も外向もしていない。
・中手 長く、弾力がある。
■ 後肢:力強い。尻から飛節までは大変長く、中足はそれと比較するとかなり短い。
・膝 柔軟で、良い角度を有する。
・デュークロー 切除してもよい。
■ 足:前足は力強く、長さも幅もあり、大変大きい。また、長く、厚い被毛に覆われ、指はアーチしている。
パッドは地面にしっかりとついている。後足は長いが、前足ほど幅広くなく、長く、厚い被毛に覆われている。
■ 歩様 :滑らかで、弾力があり、優雅な歩様である。
■ 被毛
胸、前足、後肢、ひばらの被毛は長く、大変細い。
成犬では、肩の後ろからサドルに沿って、被毛は短く、ボディに密着している。
被毛は前頭部から後部に向かって長く、明瞭でシルキーな冠毛がある。前頭部の毛は短い。
耳や足の被毛は豊富である。パスターンには被毛がなくてもよい。被毛は自然に生えていなければならない。
■ 毛色:あらゆる毛色が許容される。
■ サイズ:理想体高 牡:68〜74cm 牝:63〜69cm
参考文献/資料:総合図書出版 海苑社 DOG days Vol.16 文・如月まりえ(Bmama)様
このHPへのご協力に感謝申し上げると共に厚くお礼申し上げます。
資料 ・FCI犬種標準書・総合図書出版 海苑社 DOG days Vol.16
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